第百五十二章:犠牲

輪廻転生-神←だけは必ずお読み頂き、どの章から読んでもかまいませんが、必ず、全ての章を読まなければ、それが絶対の約束です。救われるために

 

犠牲

 

船

荷を運ぶ船が、遭難し海流にのまれ転覆しました。

原因は、このあたりの海は、季節にかかわらず海流が続くという独特のもので、もともと、近づかないように航路をきめて船を走らせていたのですが、原因は羅針盤の見落としではないかと思われました。

乗組員十二名は、救命ボート二隻にのり、海流の中を必死にオールを漕ぎ進み無人島に漂着しました。

乗組員十二名全員が無事でした。

しかし、救命ボートの一隻は壊れていて、使い物にはなりません。

みんなは考えました。

救命ボートには、一隻で十一名が最大です。それ以上乗ると救命ボート自体が、沈んでしまいます。

そのため、一名は残さなければなりません。

そこで、一番いい方法を、それぞれが、考えることにしました。

救命ボート

今までは、船の中でも、自分たちの島の村でも、喧嘩をしたり罵り合ったりするような中ではあったのですが、ここに来ては、一致団結することから始めなければ、このまま無人島で暑さ寒さの中で、しのいでいけるのか、全員が死ぬ以外には無くなってしまいます。

そこで、一番多かった意見は、一名だけ残すといっても、見殺しにするようなものなので、まずは、住む家を作り、助けが来るのを待とうというものでした。

しかし、この海流は、すべての船が避けて通るのですから、助けが来ることは期待できません。

それでも助けを待つため、みんなが一緒に住める家を作ることにしました。

家

水は雨水がたまっている場所を見つけたので何とかなり、食料としては木の実が沢山あり、調理方法によって日替わりで料理を作ることもできました。

そして、十二名での生活は助け合い励まし合い、争いもなく、過ごすことができてはいましたが。やはり、自分たちの村に帰りたい思いは全員一緒でした。

そこで半年も過ぎたころ、もう一度、話し合うことになりました。

色々な意見のなかで、一番多かった脱出の方法は、島の反対側まで救命ボートを担いで、持っていき、海流が少しでも落ち付く季節を待ち、遠回りをして自分たちの島へ戻る方法です。しかし、そうしたとしても、最終的には海流の横を通りすぎなければなりません。

それでも、上手くいけば救命ボートに乗った者は助かり、愛する家族が待つ村へ帰ることができる確率は高くなります。

しかし、村へ帰り、残った者を助けに戻ることは、また同じ運命をたどることになるため、残った者を助けに戻ることは出来ません。

では、この方法で、何名が救命ボートに乗るのか、みんなで話しました。

当然のこと、全員が帰りたいと思っています。

しかし、乗れるのは最大で十一名、一人は必ず残らなければなりません。

そこで、救命ボートで村のある島へ帰る者と、無人島に残る者と、各々で決めることにしました。

この無人島にいても、愛する家族にも会うことなく、死ぬのなら、いっそのこと救命ボートにかけるというものが、十一名いました。

犠牲を払う

一人だけが、みんなといられたことが過去のものとなっても、あれだけ自分たちの村ではいがみ合っていたりしたのに、この島では全員が親友のように過ごせたこと、みんなのことを忘れないでいられるから、自分は残るといいました。

そして、それに家族は遭難して死んだと今頃は思っているだろうし、誰か一人は必ず残らなければいけないのなら、自分は最初から残るつもりでいた。だから、自分のことは自分で残りたいと決めたので、気にすることなくみんなで船を出してくれ、といいました。

しかし、それを聞いたみんなの選択は、誰もが島に乗ることを選択して、二度と振り返ることが無いようにと、救命ボートを壊しました。

 

一人で犠牲を背負う者に、周りは必ず応えてくれるとを限りません。しかし、人の胸の中にいる神というものは、愛に満ち溢れていることを忘れてはなりません。

仮に、この犠牲を払うと言った者を残し、救命ボートに十一名が乗ったとしても、残った一人のことを、勇気あるものとして称え、助けてくれた人として、人ために犠牲を払った者として、一生涯語り継ぐでしょう。

仲間の犠牲

あなたは、救命ボートに乗ったでしょうか、残ったでしょうか。

救命ボートに乗った者も、残った者も、どちらも相手のことを思いやり慈しみ、そして、いつの日か、一人が亡くなり、二人が亡くなり、順番に亡くなり、遺体を埋めていきました。

最後に残されたのは、最初に島に残ると言った者でした。彼の遺体は、誰も埋葬することもなく、魂だけが、この世を去りました。

しかし、神は彼の行いを最後まで見ていました。

神の掟を守るには、時には大きな犠牲を払うことがあることを忘れないで下さい。

 

私は同じ話、同じことを何百回も言います。
神の化身より

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