第二百九十二章:功名と利得に溺れた者

輪廻転生-神←だけは必ずお読み頂き、次はどの章から読んでもかまいません。但し、必ず、全ての章を読むこと、それが絶対の約束です。

 

 

功名と利得に溺れた者

 

功名と利得のイメージ画像

 

あなた方は、善なる行為を行い、善なる心でいますか。三人集まると二人の意見に流されることはないでしょうね。

善なる行為とは、他者への行いによってのみ重なりゆくものです。そのことを忘れないでいれば、物への執着など善でないことがよくわかることでしょう。

何よりも、この世に生きていて楽しいことは、善を行い、善から与えられるあなた方への最高のご褒美、あなたという神と、あなたのほくそ笑む顔です。

いくら、あなたが沢山の物を持とうとも、豊かだと思おうとも、それは善ではない。

物で豊かさを感じる者は、茨のごとく棘の上をはだしで歩くようなもので、いつも、痛くて、顔が引きつり、そして、誰にも財をとられまいと怯えている。

「人をなくさみもの」とするような翫ぶ人間になってはいけない。

いかなる時があなたに向かい来ようとも、それはほんの少しの儚いものです。行為と利益、功名と利得は、神となるあなたには全く不要なものです。求めてはなりません。

 

 

ははおやのために楽させるために

ある者が、いつも考えていたことは、夫婦共働きの家に生まれ、裕福でもないが、貧しくもなく、十五歳まで過ごしていた。この者は、母が大好きで、母を楽にさせてあげたくて、ある意味において、専業主婦になれるように、十五歳で進学もせずに、働くことを決意していた。

でも、この者は音楽が大好きで、ミュージシャンになりたいという気持ちも持っていた。しかし、仕事をして一日も早く母親を楽にさせてあげたい。そこで迷っていた。

この者は、それならば大都会へ出て、仕事を遣りながら、ミュージシャンを目指そうと考えたのです。

この若さで二足の草鞋を履くことができるほど、世の中は甘くはありません。

程なくして、彼は、音楽を簡単にあきらめてしまいました。それは、夜の仕事に夢中になったからです。俗世に流されたという事でしょう。

夜の仕事では、お店のお客さんからチップも貰えるので、今までと違い、少し舞い上がり始めていました。それから数年がたち、彼は二十七歳になっていました。二十七の彼には、世間の同じ年齢の人の三倍は収入がありましたが、彼は一度も母親に仕送りをしていませんでした。

 

 

後輩のお金と母のお金

彼は、その時に、夜の仕事で一人の後輩から、一緒に会社を立ち上げませんか、と誘われました。しかし、彼は、仕事で稼いだお金は全て遊びで使っており、会社を作るお金を持ち合わせてはいませんでした。

それを察知していた後輩は、お金なら僕が出します。母親が亡くなって保険金が入ったんです。

それを聞いても、彼は自分の母親のことを思い出すこともなく、これはついていると思い、後輩と二人で会社経営に乗り出しました。

しかし、二人とも何をやる会社を作るのかを全く考えていませんでした。彼は、後輩に、探偵はどうだろうと話しました。後輩は、それはいい案ですねと答えた。

そして彼はこうも付け加えた。俺たちのやる探偵という職業は、倫理に反するものをやっつける仕事なんだ。だから、世の中のためになるよ。

しかし、数か月たっても仕事の依頼は来ない。とうとう後輩の金も尽きてしまい、お金に困った状態で、闇金に手を出した。

彼らは、その後も仕事が来ないので、利息すら払えない、このままではまずいと思い、彼は、母親に電話をして、お金の融通をお願いした。彼は、何年も連絡もせず、母親の誕生日すら忘れている。

しかし、母親にとれば、掛け替えのない息子であり、その息子のためならと、仕事でいただくお金の中からコツコツとためてきたお金を、息子に送った。

そのお金で、闇金の全てが返済できたのに、彼は、半分だけ返済して残りは夜の仕事の時に遊んでいたことが、いまだに忘れられずに、そちらに使っていった。

残りの半分の期限が過ぎても返せない彼は、また、母親に電話をして金の無心を行ったのです。

母親は、またも息子のためだから、悪い人間になられては困ると思い、お金を送りました。

彼は、そのお金の半分を闇金に返して、また残りの半分で遊びました。

 

銀行からの融資

そうこうしているうちに仕事が入るようになり、闇金のお金は返すことができ、仕事も順調に進み、社員を抱えるほどに成長していきました。

しかし彼は、ここまで来ることができたのは、誰のおかげか全く頭に入っていませんでした。

仕事が順調にいくと、もっと会社を大きくしたくなるもので、彼もその一人でしかありませんでした。

彼は、一応、今はぎりぎり黒字なので、銀行が金を貸してくれるだろうと思って、銀行の担当者に見栄を張るために、会社でキープしていたすべてのお金で、大きな事務所を借りて、社員も三十人まで増やし、それから銀行に融資を申し出に行きました。

銀行側は、いろいろな書類を要求してきました。結果は融資不可能という結論になりました。

この結果は、他の銀行でもすべて同じで、彼は、社員の給与から大きくした事務所の家賃など、このままでは支払えなくなると、後輩である専務と頭を抱えました。

そして、彼の行動は、今まで借りたお金を一円も返していない、会社が儲かっているときにも、返さない、儲かれば自分の遊びや、車、時計、等々に使っていたのに、またも母親に電話をしました。

母親は、自分の保険を解約したり、会社からお金を借りたり、自分のもので売れる物はすべて売り、息子が悪い道へ進まぬようにと、お金を送りました。

彼は、そのお金でその時は難を逃れました。

 

 

成功と逃がすもの

その後。彼は時代の流れに乗ることができ、会社を増やしていき、数社の会社の会長まで上り詰めました。しかし、すべては自転車操業です。一つ目の会社の成長だけに尽力を注いでいれば、違ったかもしれないのに。

彼も結局は、物で豊かさを感じ、茨のごとく棘の上をはだしで歩き、いつも、痛くて、顔が引きつり、それでも、成功者だと金物の力で人が集まり、金物がなくなれば、どうなるのかすら考えてもいない。

金物がなくなれば、成功させているときの友人たちが助けてくれると思っている、愚か者にすぎませんでした。

金で集めた「者」は、金がなくなると「者」も潮が引くように、逃げていくのです。彼は全くそれを知りませんでした。まるで、学生時代の友達とでも思っていたのでしょう。

彼が、痛くて顔を引きつっているのを周りが見逃すはずがありません。経営者仲間からの誘いも減る一方で、社員も退社する者が後を絶たず、彼は焦りました。せっかく手に入れたものが、奪われることに恐怖すら覚えたのです。

 

 

会社から逃げる

彼は、会社の再建よりも、会社から逃げることを考えました。会社は専務にあげて、その見返りに貰ったお金で、新時代の幕開けと評されたビジネスに手を出しました。

でも、彼は、そのビジネスの大まかなことは知っていても、本来必要な部分のことは全く知りませんでした。

彼は、そのビジネスに精通している技術者と社員を、高い給与を出して雇用しました。

ここで彼が初めにぶつかる壁は、今までやってきたビジネスの様にわかりやすいものではなかったことです。

彼は、高い給与を払っているのに、社員に何も言うことができません。そのビジネスは彼にとって難しすぎる技術が必要で、何を話しても、話が通じないのです。

半年が過ぎても、他社が成功している機器は完成しません。だから、時として彼は大声で「いつできるんだ」と叫びますが、そのたびに、技術者はやめていきます。

また、新たな技術者を雇用するための、広告費だけでも彼にとっては莫大でした。そのため、彼は、いつも自分の怒り癖に恐怖を持ちながら、我慢しました。

今度は、逆に社員を連れて、飲みに行くことに時間を割き、頑張ってもらおうと考えました。しかし、社員にとってみれば、週に二日もそのような日があることを苦痛に思っていました。

そして、社員は次から次へと退社していき、その上お金も、といっても前の会社を専務に譲るときに専務が無理して作ったお金ですが、それすらも忘れ、会社は倒産しました。

彼のその後の詳細については、またの機会に話しましょう。

 

後悔

彼は、会社の倒産後に、母親に電話をかけました。母が電話に出ることは、すでに六十歳になる彼には、ありませんでした。

彼は最初の志を完全に忘れて、己の欲望のためには、母のために、母を楽にさせてあげたくて、大都会に出てきたはずなのに、その母親を真逆にも金蔓にして、成功したと愚かにも甚だしい者でした。

彼は、行為と利益、功名と利得しか見えなくなった俗世に溺れる愚か者となってしまったことを、彼自身が気付く日が来ます。

彼が、目覚めたのは六十一歳の時です。今までの人生で、本当は一度も成功したことが無く、最初に始めた会社が成功して軌道に乗ったのも、後輩である専務のおかげと、自分の志を自分で裏切った母親のおかげでした。

彼は、母親に手を合わせても何にもならないことを知り、老いた体に鞭を打ちながら、人のために、他者のために、困っている人のために、給料のほとんどを使っています。

善を感じるようになり、今まで犯してきた罪を、誰かのために、誰かを助けるために、このように生きている自分でも、遅すぎたかもしれないけれど、今が一番幸せであると大きく息を吸っていました。

 

彼は、週に一度決まった曜日の、決まった時間に私に手紙を書きます。

 

 

 

 

 

私は同じ話、同じことを何百回も言います。

神の化身より

神より

「我が子よ、最新の数百章のページ程度の新しい章から読めば、最初のページから三ページ以上づつ読みなさい。そうするといつか近づく日が来る。私が今回あなたたちにのみ降ろした神の化身はいつもあなたたちの事を考えている、それを忘れてはならない。大木の神より」

(神の化身の代筆者です。代筆者とは神の化身の言葉を皆様に解るように変換して書くものです。誤字脱字があれば、是非、相談フォームよりご連絡お願い申し上げます)

Copyrightmc 輪廻転生.神 All Rights Reserved.