加害者と被害者:第四百四十章

輪廻転生-神←だけは必ずお読み頂ければ幸です。後は最新の章から読まれていき、第一章にたどり着かれれば、望みを叶え完全にあなたを救って見せます。

 

加害者と被害者

 

加害者と被害者

交通事故を起こし、すぐに救急車を呼べば助かったかもしれない、止まることも無く逃げ去った卑怯者の被告人、これからどのようにして償うのか聞いてみたい。と裁判官は言った。

許しを乞い祈ることはありません。許されることない罪を犯したのですから、一生かけて、償う覚悟です。と被告人は答えた。

そして、被告人は続けて、私は悪魔のようなことをしたのだから、償い死んだ後は地獄が待っています。そこでも償う覚悟でおります。

被告人の涙を見た裁判官は、その涙は亡くなった方への涙ですか、それともこれから刑務所に入ることへの、涙ですか。と尋ねた。

被告人は、亡くなった方への涙でもありますが、亡くなられた方の、ご家族の方を思うと涙が止まりません。と答えた

裁判官は、検察側から出された求刑の半分以下の刑期を言い渡した。

そして、最後に裁判官は被告人に、刑期を検察側の求めの半分にしたのは、その半分の刑期の間に、どのようにして償うのかを考え、出てきたときには、それをすぐにでも実行するために刑期を短くしたのです。と話した。

 

触れられない

加害者の男は、被害者の方へどのように罪の償いを行うのかを数年間考え、刑務所を後にして街に出て行った。

被告人は刑務所の中で、キリスト教の聖書と、仏教の論蔵を何度も何度も何度も読み返した。

男は、本源的な所に己は戻り、生きて行くことを誓っていた。そして、そのように生きながら、善行を行う事こそが、己の歪んでいたものを真っすぐにしていくことになると考え、来る日も来る日も、己で木を削り作った亡くなった被害者の位牌に手をあわせ、謝罪の言葉を述べていた。

男は、自分の為では無く、亡くなった人が天国に行けるように、被害者が行ったであろう、善行をし続けた。

いつか男は道を歩くことになったが、男はそれを知る由もなく、近くて遠い距離、触れ合うほどの距離であるのに、触れることが出来ない何かわからないものを感じるようになっていた。

今日も男は善行という道を歩いていた、すでに十年が過ぎていたが、男には昨日のように、助けることも無く逃げたときの光景が頭から離れることが無かった。

青い海も、淡い空も、冷たい風も、見ることも無く感じることも無く、只管に善行を積み重ねていた。雨が降って来ても、男は、この雨に己の罪が流されることも無いのだろうと、空を見上げた。

 

無双

臆病で脆い己から、無双を手に入れていた。男はその力の限りに道を歩き、触れられないものが、何かを知る日が来た。

男が眠りに落ちていたある日の事、優しい目をした神が現れた。男は、神に聞いてみた。私の善行で、殺したあの方を、天国へと連れて行って下さったでしょうかと。

神は、何も言わずに消えていった。男は目が覚め、あの方のための善行は、神に通じたのだから、神が現れたのに違いないと思った。

男は、己の善行は、あの方の行っていただろう善行であり、己は地獄へ行く、男はそれでよいと思うことに、ほんの少し罪が肩から降ろされたように感じながら、道を歩いた。

男は全ての享楽を捨て、道を歩いた、あの人のためになるのなら、何も惜しむものは無い、男は、事件の日から二十年が過ぎたことを、何を意味するのだろうと己に言い聞かせた。

 

被害者

男は、道を歩いていた時に、波の荒れる音を聞いた。これは、殺したあの人の涙の音なのかもしれない、この道で、ようやくあの人と触れ合ったのだと思った。

波が静まるまで、そこに座って、手を合わせながら、いつの間にか荒れる波の音よりも、感涙と大きく号泣している自分がいることに気が付いた。その時、大きな音で荒れていた波が静かな潮となっていた。

男は、その場所で三日もいたことさえわからずにいたが、安心立命と心を煩わし、己を悩ます心の働きを無くしていることに気が付いた。

罪というものは、道を歩けば足るを知らぬよりは、大きなものでは無い、という声を聴いた。

男は、その声が神なのか、あの人なのか、それを知ること自体が果てしない道と思っていた、己の廉潔が既に己の中から、遠くかなたに去って行ったことを悟った。

 

荒れる海

男が、償いこそが、己の中に足るを知り満ち足りていた。あの事故からすでに四十年が過ぎていた。

男の善行の道は、楽なように男には思えていたが、一度も俗世に流されないで生きて来たことは楽ではなかった、しかし、何よりも正しい事だけは確かであると確信することが出来ていた。

男は、己は罪の償いという名の下に、己を廉直とする道であったのだと思い、あの人の位牌を抱きしめて、お礼の言葉を並べた。

男の善行は、被害者だけのためではなく、己のためでもあったことを知ってから、数日後に亡くなった。

男は、右の道を歩き、天国へと裁判官に促され、大木の神とハグをした。

 

神の七つの掟

■ 騙さない、悲しませない、心を傷つけない

■ 親切にできる時を逃さない
勇気で言葉を「私に何か助けさせて下さい」

■ 動物を食べない

■ 罪を犯さない

■ 恩と責任・恩に報いる

■ 我慢

■ 奉仕と施し

神の化身より:神の七つの掟だけを行い、聢と、あなたが天国を選択し天国に行くのです。お金や宗教など天国にはなく、それらは甲斐無いのが天国なのです。

七つの掟は、どれをとっても難しいことではないはずです。但し、困難です。困難でなければ過去世までの「償い」の輪廻転生はないわけです。

(神の化身の代筆者です。代筆者とは神の化身が私たちのいずれかに降りて来られて書いている者です。相談があれば相談フォームよりご連絡お願い申し上げます)

私は同じ話、同じことを何百回も言います。

神の化身