豚と暮らす青年:第三百十六章

輪廻転生-神←だけは必ずお読み頂ければ幸です。後は最新の章から読まれていき、第一章にたどり着かれれば、望みを叶え完全にあなたを救って見せます。

 

豚と暮らす青年

 

豚と暮らす

青年は、とさつ場近くに着いた数頭の豚を載せたトラックを歩きながら見ていた、トラックはとさつ場の門が開き中へと移動していき、青年も中が見える場所へと移動した。

青年にとっては、ただの興味本位で在り、面白そうだなと思い、豚がどうなるのか見物するつもりで見ていた。

トラックの荷台から大きな建物の中へと、人間に蹴られながら入っていく豚を眺めていると、最後の一頭が、トラックから出て来ない。

荷台にいた男は、蹴り飛ばし、棒のようなもので叩きつけても、荷台にしがみついて踏ん張って動かない。

そうこうしてると、中から何かの棒を持って一人の男が出てきて、その棒を豚に突き刺した。

青年は、その光景を見て、何をしたんだと思った。豚は横たわりブルブルと大きな体を震わせている。

これが、家畜銃ピストルか、と青年はつぶやいた後、覗いていたドアを押して、豚のところまで走ってきた。

部外者は立ち入り禁止だ、出ていけ、と男が青年に怒鳴ったが、青年は、こんな光景を見て、黙っていられない、その豚を買い取るからいくら払えばいいですか。

青年のあまりの剣幕に、豚を運んできた家畜業者と思われる男が、金額を提示した。青年は、今はこれだけしかお金が無いので、これを全て渡しますから、残りは明日持ってくるので譲ってほしいと頭を下げ、身分証明書まで相手に渡して、豚を引き取った。

 

豚は学ぶ

幸いなことに豚はけいれんが止まり、首にひもを巻いて青年が引きながら、数時間かけて、青年のアパートに着いた。

ようやくアパートに着いたが、豚は大きすぎて扉からなかなか入ることが出来なかった、青年が後ろに回り、お尻を押して部屋に入れることが出来た。

体重は百キロは有ろうかと言う大きさであったが、入ってホッとしていた。青年は、落ち着いたところで考えてみた。何でこんなことをしたんだろう。どうせ殺されて食べられる運命だったのに。

僕は頭がおかしくなったのか、こんなにでかいのに、アパートに入れて、これからどうして生活するんだ。でも、何となく愛嬌のある目が好きになり、その日から同居が始まった。

一緒に暮らし始めると、いろんな問題が出てきた。豚をペットとして飼っている人っているのだろうか。エサはどうすれば、トイレは覚えるのだろうか。

青年は学んだ、でも、豚も学んだ。青年が決めたトイレで、必ずようを足すようにもなり、青年は豚が犬よりも知能が高いことを学んだ。

食べ物は野菜と果物が主食なので、少々お金がかかるけれど、オレンジを上げると踊るように喜んでくれることが、青年には楽しかった。

青年は名前を付けていた、ブータン、何となくそのままだが、ブータンも気に入った名前のようで、呼ばれたら必ず青年の横に来るようになった。

 

豚とビール

青年の一番の楽しみは、仕事から買ってきて飲むビールだけれど、これがブータンも大好きで、毎晩二人で飲むようになった。

ただ、体が大きいので、お風呂に入ることが出来ず、週に一度は青年が体の隅々まで、ぬれたタオルで拭いてあげて、冬は暖かいタオルで拭いてあげた。

タオルで体を拭いているときのブータンは、されるがままでじっとしているけれど、時々青年の方を見て、ありがとうと言っているような顔をする、それを青年も見て、気にするなよ、家族だから当たり前のことなんだよ、と言って返した。

青年はブータンがオスかメスどちらか考えたことが無いことに気が付き、お尻の方から覗いてみた、あるものが無いようなので、メスだと家に来てから一年もたって気が付いた。

メスなのに、ブータンと言う名前でよかったのだろうかと考えていると涙が止まらなくなった。きっと赤ちゃんを産んだんだろう、でも、赤ちゃんとはほとんど一緒に暮らすこともできなかったんだろう。

豚について学んだばっかりに、ブータンがとさつ場に運ばれるまでのことが、痛いほどわかり、青年はブータンと二人でビールを飲みながらよく泣いた、かといって笑うほうが多くはあった。

 

豚の散歩

ブータンが好きなことは、青年に顔じゅうを掻き毟られることで、青年の腕を突いて、顔を突き出し、顔を掻いてポーズをする、青年も可愛くて仕方が無いので、優しく全体を掻いてあげる。それが、二人の楽しみでもあった。

毎晩のビールに果物に野菜、青年は貯金もできない生活だったが、全く気にすることも無く、一緒にいれることを幸せに感じていた。

このころには青年も、ブータンと同じものを食べることで、節約が出来ると完全なヴィーガンにもなっていた。

しかし、節約だけではなく、こんなに頭が良い豚を殺して食べることが許せないという思いからも、ヴィーガンになった。

一番の問題はブータンの散歩、取り立ててブータンは散歩が好きなわけではないけれど、青年としてはブータンをたまには太陽の下に連れ出してあげたくて、休日にはブータンを家から出して、散歩に連れて行っていた。

周りからは不思議な目で見られ、でも、よく歩いている人から、凄いねとか、もう食べごろでしょうとか、声をかけられることもあったけれど、青年はいつも笑顔で返していた。

 

豚が天国へ

三十三歳でブータンに出会い共に暮らしてきた青年はいつか、五十歳を迎えようとしていた。青年も年を取ったけれど、ブータンも高齢のおばあちゃんになっていた。

でも、二人の生活には何の変わりも無く、夜のビールも一緒に飲んで、青年の一人喋りだが、青年が「そうだよね」と何かの話の途中で声をかけると、ブータンは必ず頷いていた。

ブータンは、青年に何かを残して、青年が五十歳になった時に、天国に帰っていった。

青年は何か月も、毎晩泣いてブータンの位牌を触り、その前にグラスを置き、ビールを注いであげ、乾杯の言葉に喉を詰まらせ、今日もまた号泣していた。

 

この話は、私が見ていた青年のことを書いたけれど、私が何を伝えたかったのかは、読んだ者には、わかることと思います。

また、ビール好きな人がいれば、殺されそうな豚を助けて飼ってみることです。毎晩楽しい飲み友達が、必ず出来ることになるのだから。

 

神の七つの掟

■ 騙さない、悲しませない、心を傷つけない

■ 親切にできる時を逃さない
勇気で言葉を「私に何か助けさせて下さい」

■ 動物を食べない

■ 罪を犯さない

■ 恩と責任・恩に報いる

■ 我慢

■ 奉仕と施し

神の化身より:神の七つの掟だけを行い、聢と、あなたが天国を選択し天国に行くのです。お金や宗教など天国にはなく、それらは甲斐無いのが天国なのです。

七つの掟は、どれをとっても難しいことではないはずです。但し、困難です。困難でなければ過去世までの「償」の輪廻転生はないわけです。

(神の化身の代筆者です。代筆者とは神の化身が私たちのいずれかに降りて来られて書いている者です。相談があれば相談フォームよりご連絡お願い申し上げます)

私は同じ話、同じことを何百回も言います。

神の化身